左側がキリストの磔刑。気絶する聖母、十字架を指さす百卒長、髭に手を当てる人物、下半身を横たえ身をひねる人物などはドゥッチョ「マエスタ」の「磔刑」に先例がある。ジョヴァンニ・ピサーノのピストイアの説教壇との比較もされている。
右側はマギの礼拝。3人のマギが幼児キリストに挨拶している。裸のキリストは贈り物に手を入れ、上方で楽器を奏でる天使たちは喜びに満ちている。装飾文字のなかでは召使いが3人のマギが乗ってきた馬の番をしている。ページ下部は悪魔にそそのかされたヘロデの命で幼児虐殺が行われている。
右はドゥッチョ「マエスタ」の「キリストの磔刑」。

ドゥッチョ　キリストの磔刑
マエスタ
1311年　板　テンペラ　100×76cm
イタリア　シエナ　大聖堂付属美術館

ジョヴァンニ・ピサーノ　説教壇　ピストイア

ピュッセル　キリストの磔刑、マギの礼拝
「ジャンヌ・デヴルーの時禱書」より
1325〜28年頃　写本装飾　9.4×6.4cm
ニューヨーク　クロイスターズ

世界美術大全集10　ゴシック2　1320年代